循環器専門医が丁寧に診察します。健診異常や動悸、いびき・睡眠時無呼吸の相談も承ります。

胸の痛み– category –

「突然、胸がズキッと痛んだ」「胸が締め付けられるような違和感がある」

胸の痛みを感じると、「心臓の大きな病気ではないか」と誰もが強い不安を抱くものです。しかし、胸の痛みの原因は、心臓や血管の緊急事態から、骨・筋肉・神経のトラブル、消化器の病気まで多岐にわたります。

すぐに治療が必要な危険な痛みもあれば、命に別状のない安心な痛みもあります。当院では、患者さんの不安を解消し、適切な診断・治療を行うために胸痛外来を行っています。

まずはご自身の痛みの特徴と照らし合わせ、受診の参考にしてください。

命に別状のない胸の痛み

骨、筋肉、神経などの圧迫や炎症が原因で起こる胸痛です。強い不安を感じやすいですが、心臓自体に異常はなく命にかかわる心配はありません。

前胸部キャッチ症候群

十代〜若年層に多く、「息を深く吸うと胸(心臓のあたり)がズキッと鋭く痛む」のが特徴です。肋骨の間の神経の一時的な引っかかりが原因と考えられており、数秒〜数分で嘘のようにスッと消えます。

ティーツェ症候群

肋骨と胸骨をつなぐ「肋軟骨」に炎症が起きる病気です。胸の上のほうがピンポイントで痛むほか、痛む場所を押すと明確な痛(圧痛)があり、骨が少しふくらむ(腫れる)のが大きな特徴です。

肋軟骨炎

ティーツェ症候群と同様に肋軟骨に痛みが走る病気ですが、こちらには見た目の「腫れ」を伴わないのが特徴です。体を捻ったり深呼吸をしたりすると痛みが悪化し、数日から数週間持続することがあります。

帯状疱疹

神経に潜んでいたウイルスが再活性化することで、体の片側にピリピリ・チクチクとした鋭い痛みが走る病気です。大きな特徴は、胸の痛みが出始めてから数日〜1週間ほど遅れて「赤いブツブツや水ぶくれ(皮疹)」が皮膚に現れる点です。

見逃してはいけない!胸痛

一刻を争う救急疾患や、早急に医療機関での検査・治療が必要な病気です。重苦しさ、激痛、息切れ、冷や汗などを伴う場合は躊躇せず受診(または救急要請)してください。

狭心症・心筋梗塞

心臓に酸素を送る血管(冠動脈)が狭くなったり詰まったりする循環器の代表的な緊急疾患です。「胸の奥がギューッと締め付けられる」「重いものを乗せられたような圧迫感」が特徴で、左腕や顎へ痛みが広がることもあります。

大動脈解離

全身に血液を送る最も太い血管(大動脈)の内膜が裂けてしまう命に関わる病気です。「背中や胸がバキバキッと引き裂かれるような」突然の激痛が走り、痛みが胸から背中、腰へと移動していく特徴があります。

気胸

何らかの原因で肺に穴があき、空気が漏れて肺が潰れてしまう病気です。「突然の片側の胸の痛み」と「息苦しさ(呼吸苦)」が同時に起こり、若い痩せ型の男性やタバコを吸う高齢者に多く見られます。

診断の難しい胸の痛み

一般的な心電図検査やレントゲン検査では異常が見つかりにくく、問診や専門的な検査を経て判明することが多い胸痛です。

微小血管狭心症

カテーテル検査などで太い冠動脈に異常が見られないにもかかわらず、心臓の目に見えないほど細い微小な血管が痙攣・収縮することで起こる胸痛です。特に更年期以降の女性に多く、夜間や早朝の安静時に数十分以上続く不快感として現れます。

逆流性食道炎

胃酸が食道へ逆流し、粘膜を刺激することで起こる消化器由来の胸痛です。「みぞおちから胸の真ん中あたりが焼けるように痛む(胸やけ)」のが特徴で、食後や横になったときに症状が悪化しやすい傾向があります。

心臓神経症(ストレス・自律神経の乱れによる胸痛)

心電図や心エコーなどの精密検査を行っても心臓に器質的な異常が一切見つからないにもかかわらず、胸の痛みが現れる状態です。ストレスや精神的な緊張、自律神経の乱れが原因で起こり、「動悸がする」「胸の奥が不快」「息が詰まる」といった症状を伴うことがあります。