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【脂質のトリセツ】#5 遺伝で高コレステロール?

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家族性高コレステロール血症(FH)とは
家族性高コレステロール血症(FH;Familial hypercholesteroremia)は、LDLコレステロールが高く若い時から動脈硬化が進む遺伝性疾患です。20代から30代で心筋梗塞を発症することがあります。
FH の三徴:高LDLコレステロール血症,早発性冠動脈硬化症,皮膚と腱の黄色腫
【FHの分類】
- ホモ接合体:両親から譲り受けた遺伝子のどちらも変異がある。コレステロールのコントロールが非常に難しい。指定難病。
- ヘテロ接合体:片方の親からのみ変異した遺伝子を譲り受けた場合。
FHを疑う
以下のような場合はFHがあるかもしれません。
- LDLコレステロールが 180mg/dL以上(未治療で)
- 皮膚黄色腫がある:手の甲、膝、瞼などにできた黄色っぽい隆起(コレステロールの沈着)
- アキレス腱の幅が太い
- 近い家族がLDLコレステロールが高くて治療を受けている
- 近い家族で若くして狭心症や心筋梗塞になった方がいる。
FHの診断
- LDLコレステロールが高い
- 家族のLDLコレステロール治療歴・冠動脈疾患歴
- アキレス腱の厚さ
- 遺伝学的検査
FHの治療
FHの治療は後に示すような治療(ライフスタイルの改善と薬物治療)を厳重に行う必要があります。
スタチンだけではLDLコレステロールが下がらない場合は、PCSK9阻害薬が使用されます。
『脂質のトリセツ』シリーズ
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LDL 編
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